
【第1回】「相続した空き家、どうすればいい?」放置・売却・活用…最初に考える3つの選択肢
「親から相続した家が空き家のままになっているけど、このままで大丈夫なのかな?」
最近、こうしたご相談が増えています。空き家問題は、相続がきっかけとなることが多く、「何から手をつければよいのか分からない」という声をよく聞きます。
放っておくと、建物の老朽化や税金負担、近隣からのクレームなど、思わぬトラブルを招くことも。空き家問題は、"今は使わない"という理由で先送りにするのではなく、早めに選択肢を整理することが大切です。
空き家をどうするか考えるとき、まずは大きく3つの選択肢があることを知っておきましょう。
■1. 放置する
【メリット】
・一時的にはお金も手間もかからないため、当面の負担を避けられる
【デメリット】
・建物が急速に劣化する(雨漏り・カビ・シロアリの発生)
・不審者の侵入や火災、放火、倒壊のリスクが高まる
・庭木の越境や草木の繁茂により近隣トラブルが発生する恐れ
・空き家法により「特定空き家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6軽減)が外れ、税金が6倍になる可能性がある
「忙しいから後で…」と先送りにしていたら、ある日突然、役所から指導通知が届く——そんなケースも実際にあります。
■2. 活用する(管理・賃貸)
【管理だけする】
・定期巡回(1〜2ヶ月に1回)や換気、ポストの整理、雑草除去などを業者に委託
・建物の維持と景観維持、周辺住民への配慮につながる
・空き巣対策や火災リスクの低減にも
費用:月額5,000円〜10,000円程度が一般的
【貸し出す(賃貸活用)】
・空き家を賃貸住宅として活用し、家賃収入を得る
・使ってもらうことで、建物の劣化が進みにくくなる
・「定期借家契約」などを活用すれば、将来的に自分で使うことも可能
注意点:
・設備の交換や補修など初期コストが発生する場合あり
・賃貸募集から契約・管理までは不動産会社に任せるのが安心
・借主とのトラブル対応や修繕義務など、オーナーとしての責任も生じる
■3. 売却する
【メリット】
・維持費(固定資産税・管理費・修繕費)から解放される
・現金化できることで、他の不動産や相続手続きも整理しやすくなる
・空き家売却に適用される特別控除などで節税できる可能性がある
【売却の2パターン】
① 建物付きで売却する
・解体費用をかけずに済む(50〜150万円程度の節約)
・DIYやリノベーション目的の買主に需要あり
② 解体して更地で売却する
・建物の老朽化が激しい場合、解体した方が買い手がつきやすい
・更地の方が建築条件などで柔軟に対応できる
※ただし、建物を解体すると住宅用地の軽減が外れ、固定資産税が上がる場合があるため、売却タイミングには注意が必要です。
■まとめ
まずは「今後どうしたいか」「他の相続人の意向はどうか」「建物の状態はどうか」など、状況を整理することから始めましょう。
当社「緑地」では、
・空き家の現地確認
・活用・売却・賃貸の可能性診断
・相続人間の意見調整サポート
などをすべて無料で承っています。
空き家の問題を“先延ばし”にせず、今すぐ一歩を踏み出しませんか?
次回は、「空き家を放置するとどうなるのか?」をご紹介します。
