【第2回】「特定空き家」になると固定資産税が6倍に!? 放置リスクと損しないための対策とは
「空き家をそのままにしておいたら、固定資産税が何倍にもなるって本当ですか？」
実際にお客様からよくいただくご質問です。答えは、「本当」です。
空き家を放置したままでいると、「特定空き家」に指定され、住宅用地特例の対象から外れてしまうため、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
今回は、特定空き家の基礎知識と、そうならないための具体的な対策について解説します。
1. 「特定空き家」とは？
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって、市区町村は管理が不十分な空き家を「特定空き家等」として指定できるようになりました。
【特定空き家と判断される主な基準】
・倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態
・衛生上有害となる恐れのある状態（ゴミ・害虫・カビなど）
・著しく景観を損なっている状態
・周辺の生活環境の保全を図るために放置が不適切と判断される状態
一度、特定空き家に指定されると、市町村から是正の指導・勧告・命令が行われ、従わない場合には50万円以下の過料（罰金）が課されることもあります。
2.税金面での大きなデメリット
空き家が特定空き家に指定されると、それまで適用されていた「住宅用地特例」（200㎡までの部分は固定資産税1/6、都市計画税1/3に軽減）が解除されます。
例えば、軽減前の固定資産税が12万円だった場合、軽減されて2万円に抑えられていたものが、再び12万円に戻ってしまう。
つまり、実質6倍になるというわけです。
3.放置リスクは税金だけじゃない
・不審火や放火の原因になる
・不法侵入や不法投棄の被害が増える
・近隣からの苦情や通報が役所に入り、行政の介入が早まる
・最悪の場合、行政代執行（解体）費用を請求されることも
4.今すぐできる「特定空き家」対策
①定期的に管理・清掃する
→ 換気、草刈り、ポスト整理、庭木の手入れなどを定期的に行う
②不動産会社に管理を委託する
→ 月額5,000〜10,000円程度で管理代行も可能。特定空き家リスクを下げられる
③利活用を検討する（貸す・売る）
→ 利用されていれば特定空き家には指定されません
④市区町村から通知が来たら、すぐに対応する
→ 是正指導の通知を放置すると、過料・強制執行のリスクが高まる
【まとめ】
空き家の放置は、税金や安全面で大きなリスクを伴います。ですが、早めに対処すれば、特定空き家の指定を防ぐことは十分可能です。
「誰に相談すればいいかわからない…」という方は、ぜひ一度、当社・緑地にご相談ください。
地元密着型の不動産会社として、
・定期管理のご案内
・特定空き家の可能性診断
・利活用（賃貸・売却）プランの提案
など、状況に応じた具体策をご提案いたします。
次回は、「空き家を売却するなら知っておきたい」売却時の節税制度について、解説します。
