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相続した実家の売却で3000万円控除は使える?注意点や条件もあわせて解説

不動産相続

竹下  猛

筆者 竹下  猛

不動産キャリア14年

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「実家を相続したけれど、売却する際の税金や手続きが心配だ」と感じたことはありませんか。特に「3000万円特別控除」という言葉を聞いたものの、どのような制度なのか、どんな際に適用されるのか分からず不安な方も多いでしょう。本記事では、実家を相続し売却する際に利用できる「3000万円特別控除」の基本や具体的な条件、手続きの注意点について分かりやすく丁寧に解説します。売却を検討している方が安心して一歩を踏み出せるよう、知っておくべきポイントを順を追ってご紹介します。

相続した実家(空き家)を売却する際に利用できる3000万円特別控除の基本概要

相続または遺贈によって取得した実家が空き家になっている場合、その売却によって得た譲渡所得から最大3000万円が控除される制度があります。この制度は「空き家特例」と呼ばれ、譲渡所得税の負担を大きく軽減するために設けられています。

この特例が適用されるのは、被相続人が居住していた家屋およびその敷地が対象で、単に土地だけや別の建物が対象ではありません。また、対象となる建物は、昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準のものに限られ、耐震基準を満たしていない場合は、リフォームや建物の取り壊しが必要になることがあります。

さらに、売却の期限は相続開始から原則として3年を経過する年の12月31日までですが、令和5年度の税制改正によりこの期限は延長され、令和9年(2027年)12月31日までの売却に対して特例が適用されるようになりました。

以上が3000万円特別控除の基本的な概要です。

以下に、内容を整理した表を示します。

項目概要備考
控除額最大3000万円相続人が3人以上の場合は1人あたり2000万円となる場合あり
対象被相続人が居住していた家屋とその敷地旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の建物が対象
適用期限相続開始から3年経過する年の12月31日まで令和9年12月31日まで延長

この内容は、不動産売却を検討している方にとって、最も基本となる重要なポイントです。

適用要件として知っておきたい具体的な条件

以下は「相続した実家(空き家)」の売却に際し、譲渡所得から最大3,000万円が控除される制度を適用するために、特に知っておきたい重要な条件です。

条件詳細
築年数1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋であること
居住・使用状況被相続人以外が居住したり、賃貸や事業に使用していないこと
売却対価売却代金(売買代金および固定資産税精算金の合算)が1億円以下であること

まず、建物の築年数については、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震基準の家屋である必要があります。登記事項証明書や固定資産税課税明細書などで確認できます。たとえ登記上「昭和56年6月」となっていても、建築確認日が5月31日以前であれば対象となる場合がありますので、正確な確認が重要です。

また、相続後、売却するまでの間に他の人が居住したり、賃貸や事業に使われたりすると、特例の適用対象外となります。被相続人以外が使用していない、純粋な「空き家」であることが必要です。

さらに、売却対価が1億円以下である必要があります。これには売買代金に加え、固定資産税などの精算金も含まれます。たとえば、親御さんの自宅を相続後に売却する場合、売却金額だけでなくそれに関連するすべての精算費用を合算した金額が判定の対象となるため注意が必要です。

以上、適用要件をしっかり確認したうえで、実家の売却にあたっては法令に沿った対応が大切になります。

相続人が複数いる場合に注意すべきポイント

相続によって実家(空き家)を売却する際、「被相続人が居住していた家屋と敷地」を同一の相続人がまとめて取得していることが、3000万円特別控除の適用要件の一つです。相続人が複数名にわたり、建物と土地を別々に分けて取得した場合には、控除の適用が認められない点に注意が必要です 。

相続人が1人または2人の場合、それぞれが最高3000万円までの控除を受けることができますが、相続人が3人以上になった場合は、制度改正により一人あたりの控除額が2,000万円に制限されています。例えば相続人が3人の場合は合計6,000万円、4人では合計8,000万円までの控除が受けられます 。

さらに、相続財産の分割の仕方によっては、特例の要件を満たさない可能性があります。たとえば、建物と土地が別々の相続人へ分割された場合には、控除の対象外となるため、遺産分割協議において「建物と土地をセットにして取得する」方法を検討することが大切です 。

注意点内容ポイント
取得形態建物と土地を同一相続人が取得分割次第で控除対象外となる
相続人の人数1~2人:各3,000万円
3人以上:各2,000万円
控除上限額に違いあり
分割方法建物と土地を別相続人に分割控除適用外となる可能性あり

制度を活用する上での申告・手続き上の注意点

相続した実家(空き家)の売却にあたって「相続空き家の3000万円特別控除」を利用する場合、申告・手続きにはいくつかの注意点があります。

まず、たとえ売却によって譲渡所得税が発生しないとわかっていても、控除を受けるには必ず確定申告を行う必要があります。確定申告を怠ると、制度の適用が受けられませんのでご注意ください。例えば、売却翌年に確定申告書へ控除の申告を行うことが求められます〈譲渡翌年に申告が必要です〉。

次に、申告にあたっては市区町村長等から交付された「被相続人居住用家屋等確認書」を確定申告書に添付しなければなりません。この書類は、被相続人が相続直前まで居住していた実家が特例対象であることを確認するために、自治体の建築課(または窓口)で発行される書類です。申請から交付までに数日かかることが多く、余裕をもって準備することが大切です。

また、確認書の交付時には、被相続人の居住状況を示す証拠書類(電気・水道・ガスの契約名義および閉栓日など)や、建物の写真(取り壊し後は更地の写真)、売買契約書の写しなどを自治体に提出する必要があります。各自治体によって提出書類の詳細が異なることがありますので、事前に居住地の自治体窓口で確認してください。

さらに、確実に控除を適用するためには、税理士など専門家への相談が安心です。特に相続取得の状況や分割方法、債務・ローンの有無など、複雑な事情がある場合は必ず専門家に相談して手続きを進めてください。

以下に、申告・手続きの流れを簡潔にまとめた表をご覧ください。

項目内容注意点
確定申告売却翌年に確定申告で控除を申請申告がないと控除が受けられない
確認書の取得市区町村から「確認書」を入手し申告に添付申請から交付まで数日かかるため余裕をもって相談・申請
必要書類準備契約書類、居住証明、写真などを準備自治体によって要件が異なるため事前確認が必要
専門家相談税理士などに相談し不備なく対応相続人関係や取得経緯により複雑なケースもある

これらの手続きと注意点をしっかり押さえることで、「相続空き家の3000万円特別控除」を安心して適用いただけます。

まとめ

相続した実家を売却する際、3,000万円特別控除を活用すれば大きく税負担を減らすことが可能となります。しかし、控除を受けるためには建物の築年数や耐震基準、相続人の人数や売却のタイミングなど、細かな条件を的確に押さえて進めることが大切です。手続きも確定申告や行政発行書類などが必要となるため、事前に一つひとつ確認しましょう。専門家への相談も安心して売却手続きを進めるための重要なポイントです。


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