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相続した実家の3000万円控除で節税できる?対策や注意点も解説

不動産相続

竹下  猛

筆者 竹下  猛

不動産キャリア14年

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実家を相続した時、「税金がどれくらいかかるのだろう」と不安に感じる方は少なくありません。とくに相続税や実家を売却したときの譲渡所得税は難しい用語も多く、分からないことが多いものです。そこで今回は「3,000万円控除」をはじめとした節税対策について分かりやすく解説します。実家の相続や売却を考えている方が無駄な税金を払わずに済むよう、知っておくべきポイントをお伝えします。不安を解消し、損をしないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

:相続した実家をめぐる税の基本

相続した実家に関しては、まず相続税と譲渡所得税というふたつの税金の理解が不可欠です。こちらでは、それぞれの税の基礎控除や計算方法、家や土地の評価について、できるかぎりわかりやすく解説いたします。

相続税には「基礎控除」があり、国税庁では「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」という計算式で求められます。まずこの控除を計算し、控除後の課税対象額が相続税の対象となります。控除額の範囲内であれば、相続税はかかりません。

続いて、不動産の評価です。不動産は、土地と家屋それぞれに評価方法が定められており、宅地の評価は「路線価方式」や「倍率方式」、家屋は固定資産税評価額を基準とするなど、評価基準が異なります。これらを適用して、実際の相続税の対象額が求められます。

加えて、もし相続した実家を売却した場合には「譲渡所得税」が問題になります。譲渡所得とは、売却価格から取得費や譲渡にかかる費用などを差し引いた利益のことです。これには、被相続人が購入した時の取得費を引き継いだり、相続税の一部を取得費に加算する「取得費加算の特例」がある場合もあります。ただし、この特例と「空き家特例」は同時に使えないため、ご注意が必要です(詳細は後述)。

項目内容ポイント
相続税の基礎控除3000万円+法定相続人×600万円基礎控除以内なら相続税はかからない
不動産評価土地は路線価・倍率方式、家屋は固定資産税評価額など評価方法によって課税額が変動
譲渡所得の計算売却価格−取得費(取得費加算の場合あり)−譲渡費用取得費加算と空き家特例は併用不可

以上のように、「相続税」「不動産評価」「譲渡所得税」といった基本的な仕組みを整理しておくことによって、相続した実家についてスムーズに節税を検討できる準備が整います。

なお、具体的な計算や申告方法については、税理士や司法書士などの専門家にご相談いただくのが最も確実です。

実家を相続した際の譲渡所得税の3000万円特例とは

相続によって取得した実家(被相続人の居住用財産)を売却する場合、条件を満たせば「譲渡所得」から最高3000万円を控除できる制度があります。この制度は正式には「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家特例」と呼ばれます。要件をしっかり把握しておくことで、売却にともなう税負担を大きく軽減できます。

主な適用要件は以下の通りです。

要件具体的内容
相続対象被相続人が住んでいた家屋と敷地の両方を相続していること
売却期限相続開始後3年を経過する年の12月31日までに売却すること。令和5年度改正により令和9年12月31日まで延長されています
建築基準昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の建物であること(取り壊しや耐震改修の要件緩和もあり)
売却額制限売却価格が1億円以下であること

この制度を使うことで、譲渡所得から3000万円まで差し引けます。たとえば譲渡益が5000万円の場合、3000万円を控除することで課税対象は2000万円となり、税負担が大幅に減ります。特に土地と建物の評価額が高い実家の売却においては、節税効果が大きくなります。

以上のような制度の特徴と要件をしっかり確認したうえで、ご自身のケースに適用できるかどうか判断したうえで、売却の時期や方法を検討してください。

3000万円特例の適用を逃さないために押さえるポイント

相続した実家を売却する際に、譲渡所得から最大3000万円の控除を受ける「空き家の特例」は、とても魅力的な制度ですが、適用を受けるにはいくつかの重要な条件があります。

ポイント内容の確認注意事項
売却の期限「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却が必要です。例えば、2022年5月に相続が発生した場合、期限は2025年12月31日になります。
耐震改修や取り壊しのタイミング令和6年(2024年)1月1日以降の譲渡については、売却後でも翌年2月15日までに耐震改修や解体を行えば適用対象になります。従来は売却前に工事が必要でしたが、改正により猶予が延長されました。
共同相続人が3人以上の場合1人あたりの特別控除額が最大3000万円から2000万円に減額されます。相続人の数が多い場合は、控除額が小さくなる点に注意が必要です。

これらのポイントをしっかり把握しておくことで、3000万円特例を確実に活用できる可能性が高まります。

その他の節税手段と比較の視点

相続した実家の売却に伴う節税対策として、「空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)」以外にも、有効な制度があります。ここでは、代表的な節税手段を整理のうえ比較し、それぞれの特性をわかりやすく解説いたします。

節税手段概要特徴と適用のポイント
空き家特例(3,000万円控除)相続した居住用家屋および敷地の譲渡に対して、譲渡所得から最大3,000万円を控除耐震要件や譲渡期限など条件が多岐にわたる。相続人が3人以上の場合、控除額が2,000万円に減額される場合あり。売却期限の確認が重要です。適用には確定申告が必要です。
取得費加算の特例相続税を支払った不動産を売却する際、取得費に相続税相当額を加算して譲渡所得を減らす相続税の申告があり、売却が「相続開始翌日から相続税申告期限の翌日以降3年以内」であることなど条件あり。適用可能な場合、譲渡所得を大幅に圧縮できる場合があります。
空き家放置によるリスク軽減すぐに売却しない場合でも、早期対応で固定資産税や法的リスクなどを回避特定空き家に指定されると固定資産税の減免が解除され税額が最大6倍になることも。管理コストや倒壊・火災といった近隣トラブルや賠償リスクへの対策が重要です。

上表のように、各特例にはそれぞれ適する状況と制限があります。空き家特例は控除金額が大きく魅力的ですが、耐震基準の適合や譲渡期限、相続人の人数による制限など、適用要件が細かく定められています。取得費加算の特例は、相続税申告を済ませていれば利用できる可能性があり、適用できれば譲渡所得を効果的に圧縮できます。

また、売却を延期して空き家を放置すると、特定空き家に指定されることで税負担が急増したり、周囲への危険や賠償、管理費の負担が膨らむ恐れがあります。このようなリスクを未然に防ぐため、早期対応の必要性は高いです。

それぞれの制度や対応策には、要件の適合や適用の可否など、専門的な判断が求められる部分が多く含まれています。実家の状況や相続の進行状況に応じて、どの節税メニューが最も有利かを判断するには、税務・法律の専門家への相談が不可欠です。

まとめ

実家を相続した際の税金対策として、3,000万円の特例控除は非常に有効な手段です。しかし、適用には期限や建物の要件、耐震基準の確認など、細かな条件を守ることが求められます。また、相続後は速やかな決断と手続きが大切です。他にも節税の方法はいくつかありますが、最も自分の状況に合った方法を選ぶことが節税への第一歩となります。少しでも不安や疑問があれば、早めに専門家へ相談し、賢く対策を進めていきましょう。


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